楽天カードの身に覚えのない請求|調べ方と補償の条件

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楽天カードに身に覚えのない請求が出たとき、連絡先は目的によって二手に分かれます。カードを止めるだけなら紛失・盗難専用ダイヤルが24時間受け付けますが、請求の中身を調べてもらう窓口は9:30〜17:30です。窓口の使い分けから明細の読み解き、会員規約が定める補償の条件までを整理します。

目次 11項目
  1. 連絡先は「止める窓口」と「調べる窓口」に分かれている
  2. 止め方には「戻せるもの」と「戻せないもの」がある
  3. 通知に店名が載らないのは、そういう仕組みだから
  4. 通知が来ない利用がある
  5. 楽天カードに調査を頼めるのは、明細に反映されてから
  6. 明細の利用先名は、そのままの店名とは限らない
  7. 楽天カードから「利用確認」の連絡が来ることもある
  8. 補償は原則ではなく、条件つきの例外
  9. 申告しても、当月の引き落としが止まるとは限らない
  10. 気づくのを早くする設定と、この記事で解決しないこと
  11. よくある質問

連絡先は「止める窓口」と「調べる窓口」に分かれている

明細に覚えのない利用を見つけたとき、まず決めるのはカードそのものを止めたいのか、請求の中身を調べたいのかです。ここで窓口も受付時間も変わります。

やりたいこと連絡先受付時間
カードを止める(紛失・盗難・拾得)紛失・盗難専用ダイヤル 0570-06-6910(有料)24時間受付
請求の中身を調べてもらう楽天カードコンタクトセンター 0570-66-6910(有料)9:30〜17:30

かける前に確かめてほしいのが、この2つの番号の似方です。どちらも6910で終わり、違うのは真ん中の2桁だけ。66なら調査のコンタクトセンター、06なら停止の専用ダイヤルになります。専用ダイヤルは名前のとおり停止のための窓口で、公式は「紛失・盗難・拾得によるカード停止以外のお問い合わせはお受けできません」と明記しています。調査を相談する目的で06のほうにかけると、コンタクトセンターへかけ直すよう案内されるだけで終わります。

どちらの番号も0570から始まるため、この形式にかけられない回線向けの代わりの番号が用意されています。停止の専用ダイヤルは092-474-9256(有料)、コンタクトセンターは092-303-7188(有料)です。

コンタクトセンターにかけるときは、契約者本人がカード番号を手元に用意します。冒頭のアナウンスが終わってメニューのガイダンスが流れ始めたら、スキップ番号 #1300 を押すと用件の選択を飛ばせます。楽天プレミアムカードと楽天ゴールドカードの会員はカード裏面に記載された各専用デスク(無料)が窓口で、受付時間は同じ9:30〜17:30です。

深夜に気づいたときの扱いは、公式が明記しています。夜間(17:30〜9:30)に紛失盗難ダイヤルへ連絡した場合、カードの停止は即時受け付けるものの、覚えのない請求については翌営業日の日中帯にあらためて連絡するよう求められます。止めるのは今すぐできて、調べてもらうのは翌営業日、という切り分けです。電話を待たずに楽天e-NAVIから自分で停止の手続きをすることもできます。チャットサポートも窓口として案内されています。

止め方には「戻せるもの」と「戻せないもの」がある

カードを止める操作は二種類あり、あとから取り消せるかどうかが決定的に違います。

比べる点カードの一時停止カードの停止(無効化)
公式が想定する場面手元にカードが見当たらないとき紛失・盗難にあったとき
あとから戻せるか楽天e-NAVIの「カードの利用再開」から解除できる「ご利用の再開はできかねます」
継続的な支払いへの影響解除すればカードは再び使える番号が変わるため各契約会社への変更手続きが要る

無効化したあとにカードを作り直すと番号が変わるため、携帯電話やインターネットの継続利用料、公共料金の支払いに使っていた場合は、各契約会社へ支払い方法の変更を自分で申し出ることになります。楽天カードが代わりに手続きしてくれるわけではありません。

費用の面では、会員規約 第17条第8項が再発行手数料の定めを置いています。紛失・盗難・破損を含む所定の場合の再発行では、会員が楽天カードの定める手数料を支払うとされ、ただし会員の責めに帰さない事由その他所定の場合は除かれます。金額そのものは規約に書かれていないため、再発行を申し出るときに確認することになります。

もう一つ知っておきたいのが、紛失・盗難の連絡をしたカードは、あとで出てきても無効登録を取り消せない点です。引き出しの奥から見つかっても、そのカードはもう使えません。公式は、見つかったカードは磁気(ICチップ)の部分をハサミで切って破棄するよう案内しています。家の中で見失っただけの段階なら一時停止、盗まれた形跡や不正利用の確証があるなら無効化、という切り分けになります。

ただし、一時停止の「戻せる」という性質はいつまでも続くわけではありません。楽天カードへ請求の調査を依頼すると、その条件として手元のカードの停止か作り直しが必要になります。一時停止で持ちこたえられるのは、調査を依頼するまでの間だけです。

通知に店名が載らないのは、そういう仕組みだから

「利用のお知らせが届いたのに、どこで使ったのか書いていない」という状態は、設定の不具合ではありません。速報として送られる通知には、そもそも利用先が入っていないからです。公式もアプリ通知の説明で「この時点では利用先は掲載されません」と書いています。

比べる点【速報版】カード利用のお知らせカード利用のお知らせ
配信最短翌日最短2日後
分かる内容利用日・利用者・利用金額利用日・利用先・利用者・支払い方法・利用金額

店舗名や支払い方法が分かるのは、利用先から売上データが楽天カードへ届いたあとです。明細への反映は通知の最短2日後から順次で、データがいつ届くかは利用先によって異なり、楽天カード自身も時期を案内できないとしています。

通知はカード利用の承認照会があった時点で配信されるもので、請求を確定するものではありません。表示される「利用日時」も楽天カード側が処理を行った日時なので、実際に使った日時とずれることがあります。同じ買い物で複数の通知が届くこともあり、公式は同梱処理などによる金額修正、店頭でエラーが出て再処理された場合、利用直後にキャンセルした場合を挙げています。速報版と確定版の両方が届くのは、二重に請求されているという意味ではありません。

なお【速報版】メールはカード利用お知らせメールのオプションで、速報版だけを受け取る使い方はできません。

公式が「身に覚えがない」と感じたときに最初の確認をすすめているのは、次の3つです。

  • 公共料金の支払い(電気、ガス、水道、通信費など)
  • サブスクリプションや年会費。早朝や深夜に通知が届く場合がある
  • オンラインショッピング。予約商品などは注文日ではなく商品の発送時に通知が届く場合がある

深夜に届いた通知は不正利用の合図のように見えますが、公式はサブスクや年会費の請求でも起こると説明しています。

通知が来ない利用がある

通知の設計でもう一つ落とし穴になるのが、そもそも配信されない利用があることです。公式が挙げているのは次の6つで、これはアプリ通知と【速報版】カード利用お知らせメールについての記載です。

配信されない利用補足
500円未満の利用「1回の取引につき」500円未満が対象
利用承認照会でカードの有効性が確認できない利用利用可能額の超過など
公共料金などの一部継続的な利用—
海外での利用—
楽天ETCカードの利用分—
家族カードの利用本会員のアプリ通知には届かない(【速報版】メールには届く)

500円未満が「1回の取引につき」で判定される点は、被害の見え方に直結します。少額に刻んで使われた場合、通知が1件も届かないまま利用が続くことがあり得るからです。通知が来ていないことは、不正利用がなかったことの証明にはなりません。

楽天ETCカードも通知の対象外です。明細では本カードの利用と分けて確認できるのに、リアルタイムの通知は来ないというねじれがあるので、ETCを使っているなら明細のほうを見る習慣が要ります。窓口も本カードとは別で、楽天ETCカードを紛失・盗難したときは、公式はチャットサポートへ至急連絡するよう案内しています。家族カードは本会員のアプリには通知が届かない一方、【速報版】メールには届きます。家族カード会員が自分のIDでログインしたアプリには、その会員の利用分が配信されます。

楽天カードに調査を頼めるのは、明細に反映されてから

公式が案内している順番は3ステップで、楽天カードへの問い合わせは最後に置かれています。

段階やること
STEP1自分や家族の利用でないかを確認する
STEP2明細に記載された店舗へ直接連絡する
STEP3それでも解決しないとき、契約者本人から楽天カードへ

回りくどく見えるかもしれませんが、公式は「ご利用覚えがない請求に関しては、会員様ご自身やご家族様のご利用であるケースが多くございます」と書いています。カードの停止を相談する窓口の案内でも、不正利用が疑われる場合は事前に自分で利用先へ問い合わせるよう求めています。

そのうえで、明細に反映されていない利用分は楽天カードでは受け付けられません。速報版の通知で気づいたとしても、明細に反映されるまで最短2日は動けないことになります。反映前に詳細を尋ねても調べられない場合がある、というのが公式の説明です。

順番の話と並んで先に知っておく必要があるのが、調査を頼むと手元のカードがどうなるかです。公式は「ご利用覚えのない請求について調査をお受け付けする場合、お手元のカードは停止手続きもしくは作り直しのお手続きが必要となります」と明記しています。カード盗難保険の申請手順も同じ順序で、まずカードの停止手続きを行い、停止と作り直しを済ませたあとに覚えのない請求を問い合わせる建て方です。一時停止のまま調査だけ頼む道はなく、調査に進んだ時点で手元のカードは使えなくなります。継続的な支払いにそのカードを使っているなら、支払い方法の変更が必要になる前提で連絡してください。

加盟店との間で生じた取引上のもめごとは加盟店との間で自ら解決する、という定めが会員規約にもあります(第29条第11項)。楽天カードが間に入って何でも調べてくれる仕組みではない、と分かったうえで臨むと空振りが減ります。

明細の利用先名は、そのままの店名とは限らない

STEP2で店舗に連絡しようとしても、明細の表記から利用先が分からないことがあります。公式が挙げている代表的な表記と、その意味です。

明細の表示何を意味するか
ABC0570-***-***決済代行会社を通じた請求。「0570」から続く番号が決済代行会社の窓口である可能性がある
商業施設名・運営会社名モール内テナントの利用がモール名で、スーパーやガソリンスタンドが親会社名で立っている
「海外利用」海外へ行っていなくても、サイトの運営会社が海外にあれば海外利用と表示される
RAKUTEN楽天市場での買い物で、購入した店舗が海外に拠点を置いている場合の表示
楽天SP●●● / ラクテンエスピー楽天ペイでの利用。●●●の部分が利用店名
SP ●●●楽天ペイ以外のオンライン決済サービスを経由したネット決済。●●●が利用店名
SQ*●●●Squareでの利用。小規模店舗、出張販売、イベント会場など
○○ CASHBACK(キャンセル情報)キャッシュバックキャンペーンの特典進呈分

この表で取り違えやすいのが、名前のよく似た2組です。頭に「楽天」が付く楽天SP●●●は楽天ペイの利用ですが、「SP ●●●」は楽天ペイに限らずオンライン決済サービスを経由したときの表示です。「海外利用」と「RAKUTEN」も原因は近いのに別物で、前者はサイトの運営会社が海外にある場合、後者は楽天市場で買った店舗が海外に拠点を置いていた場合を指します。どちらも渡航していなくても出ます。

とくに注意したいのが決済代行会社です。公式は「弊社へ情報の開示が頂けないため、お客様より直接決済代行会社へご連絡をお願いいたします」としています。明細に出ている0570から始まる番号そのものが、その決済代行会社の連絡先である可能性があります。

そして、情報を開示してもらえない利用先は決済代行だけではありません。公式の利用先一覧を見ると、ドコモ・au・NTT東日本と西日本といった通信キャリアから、Amazon、Apple、Microsoft、メルカリ、DMM、U-NEXT、ニコニコ、KYASHまで、「カード会社にお客様の情報開示を頂けないご利用先のため、お客様にてご利用先にお問い合わせをお願いいたします」という注記が広く付いています。個人情報保護の観点から確認を本人からの問い合わせのみとする利用先が増えている、というのが公式の説明です。日ごろ使うようなサービスの請求は、楽天カードに聞いても中身が出てこない前提で動くほうが早く片づきます。一覧には各社の問い合わせ先の電話番号やフォームも載っているので、そこから直接あたることになります。

無料お試しがそのまま自動継続になっているケースも、公式が利用先名を挙げて注意を促しています。アマゾンプライムカイヒ、ヤフージャパン、ユーネクストサービス利用料、ソニーネツトワークコミユニケーシヨ、マイクロソフト、SPOTIFYといった表記です。マイクロソフトについては、1,490円ならMicrosoft 365 Personalの月額プラン、14,900円なら同じプランの年額プランと具体的に説明されています。解約は自分で手続きする必要があり、楽天カード側で止めることはできません。

さらに公式は、問い合わせた結果として本人の利用だったことが特に多い利用先も名指ししています。AMAZON.CO.JP・アマゾン・アマゾン マ-ケツト プレイ、AMZ*(Amazonアカウントを使った決済分)、APPLE COM BILL・アツプルドツトコム、Google、UBERJP_EATS・UBER *EATS・HELP.UBER、アマゾンペイテイケイサイト(Amazon Pay)、ゾゾタウン、ヤフー●●●です。ゾゾタウンは予約商品、ヤフー●●●はYahoo!ショッピングやオークション・フリマの利用が疑われるとされ、Googleはオンラインゲームやアプリゲーム、広告掲載サービスが挙げられています。

家族の利用であることが多い例として公式が挙げるのは、AMAZON.CO.JP、AMAZON DOWNLOADS、GOOGLE PLAY JAPAN、TEMU.COMです。本人とは別のアカウントにカード情報が登録されていた、というケースが多発しているとされています。携帯料金にまとめて計上される「ソフトバンクワイモバイルマトメ」や「ペイペイソフトバンクワイモハ」といった表記についても、家族で携帯の支払いをまとめている場合や家族がチャージした場合でも契約者へ請求されると説明されています。

この3つの一覧は、当たったときの意味がそれぞれ違います。自動継続の一覧に当たったなら、請求を止めるには自分で解約するしかありません。本人利用の一覧なら、そのサービスの注文履歴や購入履歴を開けばその場で白黒がつきます。家族の利用だと分かった場合は不正利用として扱われず、会員規約 第17条第2項第2号によって補償の対象からも外れます。公式のSTEP1「自分や家族の利用でないかを確認する」は、実際にはこの3方向を順に当たっていく作業になります。

もう一つ、自分が操作していないのに請求が立つ類型があります。明細に「楽天ペイ残高 チャージ」と出ている場合です。楽天ペイアプリから手動でチャージしたのなら操作の記憶が残りますが、楽天証券で残高キープチャージを設定していると、楽天ペイ残高をあらかじめ決めた金額以上に保つため、不足分が自動でチャージされます。設定したとき以降は自分で操作しないまま請求が積み上がるため、身に覚えがないと感じやすい反面、不正利用ではありません。楽天ペイ残高の取引履歴を開けば、いつどれだけチャージされたかを確認できます。

日付のずれもよくある原因です。インターネットショッピングや予約商品では購入日と明細の利用日が食い違い、ホテルや航空券のオンライン予約では予約した日が利用日として記載されることがあります。商品を発送した日や、受け取った日が利用日として表記される場合もあります。楽天トラベルの国内宿泊をカード払いで予約した場合は、予約が成立した時点で決済されるため、宿泊日より前に請求が立ちます。

キャンセルした分が明細に残っているときは、利用先から楽天カードへキャンセル情報が届くまで通常2〜3週間かかります。請求月そのものがずれる仕組み(楽天市場・楽天ペイ・楽天トラベルの25日締め、加盟店からの情報到着が遅れて翌々月以降になる場合、家族カードの合算)は、締め日・支払日の記事で扱っています。

楽天カードから「利用確認」の連絡が来ることもある

不審な利用は楽天カード側でも監視しています。24時間365日のモニタリングで疑いを検知すると、カードの利用をいったん止めたうえで、本人の利用かどうかの確認を求めることがあります。連絡はSMS、メール、楽天カードアプリ、楽天e-NAVIのいずれかで届き、回答は通知から72時間以内が目安とされています。

楽天e-NAVIで「身に覚えのないご利用」と回答すると、カードの利用が停止され、楽天カードから確認の電話がかかります。電話での確認が済むと、手元のカードとは別の番号で新しいカードが再発行されます。ここでも番号が変わるので、継続的な支払いに使っていた契約は自分で変更手続きをすることになります(利用先によっては自動で新しい情報に切り替わります)。

厄介なのは、この連絡を装った偽のメールやSMSが出回っていることです。公式は、怪しいSMSやメールは開かずにアプリか楽天e-NAVIから確認するよう案内していて、メールやSMSでカード番号の全桁を聞くことはないと明記しています。確認の連絡が本物かどうかを、届いたメッセージの中だけで判断しないのが安全です。見分け方は詐欺メールの記事にまとめています。

補償は原則ではなく、条件つきの例外

不正利用の補償について、会員規約は「補償します」から始まっていません。第17条第1項の本文は、カードやカード情報を紛失・盗難などで他人に使われた場合、その使用によって生じる支払債務はすべて会員が責を負うと定めています。カード情報が登録されたスマートフォンなどの端末を紛失し、他人にカード情報を使われた場合も、ここに含まれると書かれています。

支払いが免除されるのは、この本文に続く但し書に当てはまったときです。条件は3つそろっている必要があり、そのうえで楽天カードが認めた場合、という組み立てになっています。

  • 紛失・盗難などの事実を速やかに楽天カードへ直接電話などで連絡する
  • 最寄りの警察署に届ける
  • 所定の届出書を提出する

第17条が定めるこの仕組みを、楽天カードは「カード盗難保険」と呼んでいます。公式の説明では、紛失・盗難後に不正利用された場合、連絡を受理した日より60日前以降に発生した被害額を保険会社の判断に基づいて免除する、という建て方です。規約から読むと厳しい条件の列挙に見えますが、公式サイトや問い合わせの場面ではこの商品名で案内されます。

期限が3つあり、それぞれ意味が違う

期間何の期限か
60日免除される範囲。楽天カードが連絡を受理した日の60日前以降に発生した利用分が対象
30日他人に使われたと知った日から30日以内に、免除に必要と認められた書類を提出し、被害状況の調査に協力する
2年盗難の日(不明なときは最初の不正使用の日)から2年を過ぎてからの連絡には、但し書そのものが適用されない

誤解されやすいのが60日です。これは届け出の期限ではなく、遡れる範囲を指します。60日を過ぎたら補償されなくなるのではなく、連絡した日から60日より前に発生した被害が対象から外れていく、という動き方をします。

具体的に置いてみます。3月20日に最初の不正利用があり、気づかないまま7月1日に連絡が受理されたとします。免除の対象になりうるのは5月2日以降の利用分で、3月20日から5月1日までの43日分は範囲の外です。この間に1回490円の決済が毎日続いていたとすると、43日で2万1,070円。しかも500円未満は通知が配信されないため、この期間の通知は1件も届きません。明細を見る習慣が結果的に金額を左右する、というのはこういう意味です。

免除されない7つの場合

#支払免除の対象にならない場合
1紛失・盗難などが会員の故意または重大な過失によって生じた場合
2会員の家族、同居人、留守人その他会員の関係者が紛失・盗難などに関与し、または不正使用した場合
3戦争、地震等の著しい社会秩序の混乱の際に紛失・盗難などが生じた場合
4規約に違反している状況で紛失・盗難などが生じた場合
5紛失・盗難などが虚偽の場合
6書類の提出を拒む、提出した書類に虚偽の申請をする、不正使用被害の調査に協力しない場合
7暗証番号を使うカード利用で、使用された暗証番号と登録の暗証番号の一致を確認したうえで行われた利用による損害(第5条第3項但し書の場合を除く)

実務でいちばん効くのが2番目です。家族や同居人、留守を任せた人など会員の関係者が関与または不正使用した場合は、免除の対象になりません。先に見た「家族の利用であることが多いケース」に当たったなら、不正利用ではなく会員の負担として処理されます。子どもがオンラインゲームで親のカードを無断で使った例について、公式は「クレジットカード決済は、カード名義人である親の責任が問われます」と会員規約第3条を挙げて説明しています。

7番目の暗証番号には例外があります。第5条第3項の但し書で、暗証番号の管理について会員に故意または過失がないと楽天カードが認めた場合は、この限りではないとされています。ただし基準は「重大な過失」ではなく「過失」で、1番目の免責事由より判断は厳しいことになります。規約には、0000や9999のような同じ数字の連続、生年月日や電話番号など推測されやすい番号を避ける義務も書かれています。

ネットショッピングで本人認証を行う仕組みは、楽天カードでは本人認証サービス(3Dセキュア)と呼ばれています。ここで使われたワンタイムパスワードなどの扱いは第29条第6項にあり、こちらも原則は会員の負担で、管理面についての楽天カードの判断によって例外が開かれる形になっています。

なお楽天カードは、不正検知の案内ページで「所定の手続きと調査のうえ、会員様に過失がないと判断した場合は、会員様に不正使用額をご負担いただくことはございません」と書いています。どの経路でも、過失の有無についての判断が挟まる点は共通しています。

偽造カードだけは原則が逆を向いている

ここまでは「原則は会員負担、例外として免除」という組み立てでしたが、第17条第4項はその向きが逆です。偽造カードの使用にかかるカード利用代金については、会員は支払の責を負わないと定めています。連絡から60日、書類の提出30日、盗難の日から2年という3つの期限も、警察への届け出も、条文上この項にはかかっていません。

ただし第5項で、偽造カードの作出または使用について会員に故意または過失があるときは、その利用代金は会員の負担に戻ります。ここでも基準は「重大な過失」ではなく「過失」です。会員には、偽造カードの使用に関する被害状況の調査に協力する義務も置かれています。

そのうえで大事なのは、手元のカードが複製されたのか、カード情報だけを抜かれて使われたのかを、会員の側で判定する手立てがないという点です。偽造だという見立てを前提に連絡を遅らせたり、警察への届け出を省いたりすると、偽造ではなかったときに但し書の条件を満たせなくなります。判定は結果として付いてくるものなので、行動そのものは紛失・盗難と同じ手順で進めてください。

申請は書類を返送してからが本番

免除の条件にある「所定の届出書」の正体は、紛失盗難被害通知という書類です。公式が示す申請の流れは4段階で、まず担当者からのヒアリングで詳しい状況を伝え、次に会員が必要書類を返送します。楽天カードがそれを保険会社へ提出し、最後に保険会社が適用の可否を判断します。適用を判断するのは楽天カードではなく保険会社(楽天損害保険株式会社)で、公式は回答が出るまでの期間を案内できないとしています。

海外での被害では、追加の書類が要ります。パスポートのコピー(入国・出国スタンプが確認できるページと顔写真の部分。自動ゲートでスタンプがない場合はEチケットや航空券の予約画面など渡航を証明する資料)と、現地警察へ届け出て取得したポリスレポートのコピーです。ポリスレポートを取れずに帰国した場合は、警察不届出理由書を出します。

この流れで意外に効くのが、連絡がつくかどうかです。公式はヒアリングの時点で会員と連絡がつかないと保険申請手続きが滞る可能性があるとし、書類の記入や提出に漏れがあって保険申請期間を超過した場合は本人請求となる可能性があると書いています。条件を満たしていても、届いた書類を放置すれば支払いは自分に戻ってきます。届出書が届いたら手を止めて先に書く、くらいの優先順位で扱ってください。なお補償の上限額や免責金額は、公式サイトで確認できませんでした。

申告しても、当月の引き落としが止まるとは限らない

被害に遭った人がいちばん驚くのがここです。会員規約 第12条第4項は、明細について申し出を受けたら速やかに調査すると定めています。そのうえで、調査に時間がかかるなどの事由で当月の請求金額を調整できない場合や、明細に記載された金額のまま口座振替が行われる場合があることを、会員があらかじめ承諾する、と続きます。申告した月の引き落としが、予定どおり実行されることがあります。

同じ第12条には、明細を会員専用サイトに表示してから1週間以内に申し出がなければ、内容が承認されたものとして口座振替を行うという定め(第3項)もあります。これは口座振替を実行するための取り決めで、支払免除を求める権利が1週間で消えるという意味ではありません。

調査そのものにも時間がかかります。利用内容の詳細が分からない場合、楽天カードは売上伝票(控え)を取り寄せて調べ、到着または調査結果が判明しだい書面で回答します。公式は「売上伝票取り寄せの場合、調査期間が2カ月程かかる場合がございます」としており、取り寄せても詳細が分からない場合や、内容そのものの回答が返ってこない場合があるとも書かれています。インターネットの利用や携帯電話料金のような継続決済では、会員自身での問い合わせを求められることがあります。

そもそも楽天カードが調査を引き受けられないこともあります。前述のとおり利用内容の確認を本人からの問い合わせに限る利用先が増えていて、その場合は該当する窓口(電話番号やサイトのURL)の案内だけになります。利用日から長く経ってからの申し出には対応できない場合がある、とも書かれています。調査の結果として不正取引が判明したときの連絡も、「ご連絡を行わせていただく場合がございます」という書き方です。

結論が出るまでに引き落とし日が来る前提で、口座の残高を用意しておくと、調査を待つあいだに支払い遅れが重なる事態を避けられます。支払いが遅れるとカードの利用そのものが止まる仕組みは、使えないときの記事で扱っています。

気づくのを早くする設定と、この記事で解決しないこと

通知の設定はアプリとメールで別々です。アプリは「メニュー」から「アプリの設定」に進み、「通知」画面の「ご利用情報のお知らせ」をオンにします。メールは楽天e-NAVIから配信設定をします。両方を使うならそれぞれ設定が必要です。

ただし通知には穴があります。アプリ通知と【速報版】メールには、500円未満の利用、海外での利用、公共料金などの継続的な支払い、楽天ETCカードの利用が載りません。月に一度は明細そのものを上から下まで見る時間をつくるほうが、結局は早く気づけます。

この記事の手順で片づかないケースもあります。家族が使っていた場合は不正利用ではなく、補償の対象にもなりません。商品が届かない、解約できないといった利用先とのもめごとも、規約上は加盟店との間で解決する話です。公式自身、情報商材やオンラインゲームをめぐるトラブルについては消費生活センターなどへの相談をすすめています。楽天カードに連絡すれば元どおりになる、という前提で時間を使わないほうが、結果的に早く解決に近づきます。

よくある質問

調査を頼めばカードが使えなくなるなら、連絡する前に何をしておけばよいですか?

そのカードを支払い方法に登録している契約を、連絡する前に書き出しておくと手戻りが減ります。調査を頼むとカードは停止か作り直しになり、作り直せば番号が変わるため、携帯電話やインターネットの継続利用料、公共料金は契約先ごとに支払い方法を変更することになります。変更できるのは新しいカードが届いてからなので、その間に止まると困る支払いがどれかを先に把握しておくほど動きやすくなります。利用先によっては自動的に新しいカード情報へ変更される場合もあるとされていますが、対象かどうかは各サービス提供会社へ確認してください。

海外にいるあいだに気づいたときは、どこへ連絡しますか?

海外用の紛失・盗難専用ダイヤル(81-92-474-9256)が24時間受け付けています。頭の81は日本の国番号で、渡航先からはコレクトコールでかけるよう案内されています。カードの緊急再発行についても、この窓口で案内を受けられます。あわせて、会員本人から最寄りの現地警察へ届け出ることも必要とされています。

本記事の情報は各カード会社の公式サイト・規約をもとに作成しています(2026年9月時点)。 年会費・ポイント・保険などの条件や規約は予告なく改定されることがあります。

最新の情報は各カードの公式サイトで必ずご確認ください。 公式サイト: 楽天カード