リクルートカードの海外旅行保険|利用付帯の条件と、出ないケース

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リクルートカードの海外旅行傷害保険は最高2,000万円ですが、自動付帯ではありません。日本を出る前に決められた料金をこのカードで払っていなければ、補償額は0円のままです。何を払えば発動するのか、額面の内側にある上限、そして保険金が出ない場面までを公式の案内から読み解きます。

目次 13項目
  1. 最高2,000万円の内訳
  2. ブランドで違うところと、公表されていないところ
  3. 自動付帯ではない — 適用条件は出国前に何を払うか(Mastercard / Visa)
  4. 個人手配の旅行でも、空港へのバス代1本で発動する
  5. 電子マネーにチャージして旅費を用意すると、条件を満たせない
  6. 補償期間は2つの条件が重なった範囲だけ
  7. 保険金が出ないケース(Mastercard / Visa)
  8. 額面の内側にある上限と期限
  9. 事故に遭ったときの連絡先と請求
  10. 年会費無料の3枚で比べると、治療費が見劣りする
  11. 足りない分は重ねられる。ただし重ね方で結果が変わる
  12. このカードの保険で足りる人、足りない人
  13. よくある質問
年会費 永年無料
家族カード 無料
ETCカード —
基本還元率 1.2%
ポイント リクルートポイント
国際ブランド Mastercard / Visa / JCB
海外旅行保険 最高2,000万円(Mastercard/Visa・JCBとも。内訳はMastercard/Visa側の値)(利用付帯(旅行代金をリクルートカードで支払うことが条件))
発行会社 三菱UFJニコス株式会社(Mastercard/Visa)・株式会社ジェーシービー(JCB)

最高2,000万円の内訳

三菱UFJニコスが発行するMastercard/Visaの補償内訳は次のとおりです。発行会社はリクルートカードを対象カードに挙げた海外旅行傷害保険のページを用意していて、条件の細部はそこから開ける付帯保険の案内冊子(PDF)に載っています。引受保険会社は「(幹事)東京海上日動火災保険株式会社」です。なお発行会社は、2025年12月1日以降に出発する旅行から補償内容を変更したと告知しています。以下に挙げるのは変更後の内容です。

補償項目保険金額
傷害による死亡・後遺障害最高2,000万円
傷害による治療費用100万円限度
疾病による治療費用100万円限度
賠償責任2,000万円限度
携行品損害(免責金額3,000円)1旅行につき20万円限度・年間100万円限度
救援者費用100万円限度

保険金額の表には「本人会員・家族会員」という見出しが付いていて、家族カードを持つ家族も本人会員と同じ内容で補償されます。冊子の巻末でも、家族会員が保険の対象になるかという問いに「対象です。本人会員と同じ内容の保険を付帯しております」と答えています。家族カードの枚数や年会費の扱いはリクルートカードの家族カードにまとめました。

ブランドで違うところと、公表されていないところ

リクルートカードはMastercard・Visa・JCBの3ブランドから選べ、Mastercard/Visaは三菱UFJニコス、JCBはジェーシービーが発行します。カード公式の表では海外旅行がどちらも最高2,000万円の利用付帯ですが、その先まで同じというわけではありません。

項目Mastercard / VisaJCB
発行会社三菱UFJニコスジェーシービー
海外旅行最高2,000万円(利用付帯)最高2,000万円(利用付帯)
国内旅行対象外最高1,000万円(利用付帯)
ショッピング保険年間100万円年間200万円
補償内訳の公表発行会社のサイトと冊子で全項目当サイトでは確認できず

治療費や賠償の内訳まで公開しているのは三菱UFJニコス側だけです。ジェーシービーは会員向けの「JCBのほけん」やカードごとの付帯保険ページへ案内する形をとっていて、公式FAQも「カードの種類により、旅行損害保険の適用条件が異なります」と書いています。この記事で挙げる補償の中身は、すべてMastercard/Visaのものだと思ってください。ブランドで内訳が同じとも違うとも、公表されている範囲からは言えません。

ブランド差は保険以外にもあり、ETCカードの発行手数料や電子マネーチャージの還元率が分かれます。どちらを選ぶかの判断材料はリクルートカードのブランドで比べました。

自動付帯ではない — 適用条件は出国前に何を払うか(Mastercard / Visa)

発行会社が「適用条件」として挙げているのは3つで、これが重なって初めて補償が立ち上がります。まず、カード入会日以降に出発する旅行であること。次に、対象になる料金を日本を出国する前にリクルートカードで払っていること。最後が、その料金が下の2つの表のどちらかに当てはまることです。

搭乗する公共交通乗用具の料金は、こう線引きされています。

対象対象外
航空券 / 燃油サーチャージ / 空港に向かう鉄道(モノレール含む)や有料特急列車(新幹線、空港行の特急など)の代金 / リムジンバスチケット / 空港に向かうタクシーレンタカー / ETC料金 / 電子マネーチャージ代 / プリペイドカード購入費 / 空港使用料 / 航空券発券手数料 / 超過手荷物料金

参加する募集型企画旅行の料金は別の表になります。

対象対象外
パッケージツアー代金募集型企画旅行に含まれない海外ツアー / ホテル宿泊料金

「日本ご出国前に」という条件は、この2つの表の両方にかかります。航空券を帰国後に決済した場合も、現地で買い足した鉄道券も、条件には数えられません。

公共交通乗用具のほうには、冊子の脚注にさらに細かい除外があります。この脚注は「公共交通乗用具とは」の説明に付いているもので、募集型企画旅行の側には及びません。運賃の概念に該当しない決済(空港利用税だけの支払い)、搭乗する乗用具や利用区間を特定できない決済(乗り放題きっぷ)、その旅行のためではない決済(通勤用定期券)の3つが、対象から外されています。切符の形をしていれば何でもよい、というわけではありません。

募集型企画旅行のほうの対象外にある「募集型企画旅行に含まれない海外ツアー」は、個人で申し込んだ現地発の観光ツアーなどを指します。旅行業者が旅行者を募集して実施する企画旅行かどうかが分かれ目で、公式も判断は購入先の旅行代理店に問い合わせるよう案内しています。ホテル宿泊料金も対象外なので、航空券を他社カードで買って宿だけリクルートカードで押さえた場合、補償は立ち上がりません。

個人手配の旅行でも、空港へのバス代1本で発動する

このカードの利用付帯は、発動させる手段が広いほうです。パッケージツアーを買わなくても、公共交通乗用具に当たる決済がひとつあれば条件を満たせます。空港へのリムジンバス代3,000円をこのカードで払うだけでも足ります。還元率1.2%として3,000円×1.2%=36ポイントしか付かない決済ですが、それだけで2,000万円の枠が立ち上がる計算です。

この違いは他社と比べると見えやすくなります。楽天カードの利用条件は募集型企画旅行の料金を日本出国前に支払った場合に限られていて、航空券だけを決済しても、空港までの国内交通費を払っても条件を満たしません。航空券と宿を自分で手配する旅行では、楽天カードは発動させる手段がほとんど残らない一方、リクルートカードは航空券でも空港までの電車代でも立ち上がります。個人手配の旅行に強いのが、このカードの保険のいちばんの取り柄です。

ただし経路によっては空振りします。自家用車で空港へ向かってガソリン代とETC料金を払った人は、ETC料金が対象外に名指しされているため、この経路では発動しません。車で空港へ行く予定なら、往復の航空券の決済をこのカードに寄せておくことになります。

電子マネーにチャージして旅費を用意すると、条件を満たせない

リクルートカードの持ち味に電子マネーチャージがあります。Mastercard/Visaなら楽天Edy・モバイルSuica・SMART ICOCAへのチャージが、合算で月30,000円までポイントの対象です。ところが利用付帯の対象外リストには、電子マネーチャージ代が名指しで並んでいます。カードの売りにしている使い方が、保険の条件としては数えられないという噛み合わせです。

ではチャージ済みのモバイルSuicaで空港までの電車に乗った場合はどうなるのか。三菱UFJニコスは、これを対象とも対象外とも書いていません。対象外にされているのは「チャージという決済」であって、チャージ済みのICカードで払った鉄道代を名指しで否定してはいないのですが、認めるとも書かれていないのが実際のところです。同じ論点でエポスカードは、ICカードへのチャージによる鉄道代金について、チャージしたICカードで公共交通乗用具を決済した利用明細と乗車証明が必要という条件付きの扱いを示しています。リクルートカードの側にこれに当たる記述は、公式サイトで確認できませんでした。

判定を保険会社に委ねたくないなら、空港までの切符や航空券をリクルートカードで直接決済しておけば迷いません。チャージ分のポイントを取りにいくのは、旅費以外の日常の買い物でやればよい話です。チャージの上限やポイントの条件はリクルートカードの還元率で扱っています。

補償期間は2つの条件が重なった範囲だけ

冊子の「重要」欄は、補償期間を1回の旅行につき日本を出国した日の翌日から数えて90日間と定めています。そのうえで旅行期間を、海外旅行の目的をもって住居を出発してから住居に帰着するまでの間で、かつ日本出国の前日の午前0時から日本入国の翌日の午後12時まで、としています。

この2つは重ねて読むものです。住居を出発してさえいれば始まるのではなく、日本出国の前日の午前0時より前は入りません。出発の2日前に家を出て空港近くのホテルに前々泊した場合、家を出てから前日0時までの時間は補償期間の外になります。帰りも同じで、日本に入国した翌日の午後12時を過ぎてから自宅へ向かう分は外れます。

日数のほうは、出国日当日も補償されると注記があり、そこから出国翌日を1日目として90日間です。冊子の巻末は、旅行期間が90日を超える場合について、90日間は補償されるが91日目からは補償されないと明記しています。長期の滞在ではここで切れる、という線引きになります。帰国予定のない人や海外に永住する人は、そもそも本保険の対象としないとも書かれています。

保険金が出ないケース(Mastercard / Visa)

補償額の一覧だけを見ていると気づけないのが、支払われない場面の広さです。冊子は補償項目ごとに「保険金をお支払いしない主な場合」を並べていて、旅行中に実際に起きやすい出来事がいくつも入っています。

携行品は置き忘れと紛失が外れる

携行品損害でいちばん効くのがここです。対象外に挙げられているのは「携行品の置き忘れまたは紛失(置き忘れまたは紛失後の盗難を含みます。)」。カフェの席にカバンを置いたまま離れて戻ったら無くなっていた、という場面は、置き忘れたあとに盗まれたケースまで含めて対象外になります。海外旅行でもっとも起きやすい損害の形が、そのまま補償の外に置かれています。

物のほうにも除外があります。現金・小切手・クレジットカード・プリペイドカード・電子マネー・商品券・定期券・義歯・コンタクトレンズ・証書や帳簿などの書類・データやソフトウエアなどの無体物・サーフィンなどの運動用具とその付属品は、補償の対象となる携行品に含まれません。加えて、仕事のためだけに使うもの、居住施設内にある間、別送品も外れます。巻末の質問への回答も具体的で、出張のために会社から貸与されたパソコンは業務目的で借りたものなので対象外(旅行行程の開始前にその旅行のため他人から無償で借りたものなら対象)、宅配で送った荷物やお土産は別送品として対象外とされています。

治療費は既往症と歯科が外れる

疾病治療費用の対象は、補償期間が始まったあとに発病した病気です。出発前から抱えている病気、つまり既往症は対象外になります。歯科疾病も対象外で、虫歯や歯槽膿漏の治療費は出ません。ただし転んで歯を折るような偶然な事故が原因の治療は対象になる場合があるとされていて、義歯の修理はそこからも外れます。ほかに、妊娠・出産・早産・流産が原因の病気と不妊症、登山用具を使う山岳登はん中の高山病、日本国外でカイロプラクティック・鍼・灸の施術者による治療を受けた費用、レーシック手術が並びます。

ケガのほうにも除外があります。むちうち症や腰痛で医療的他覚所見のないもの、無免許・酒気帯び・麻薬等使用中の運転中に生じた事故、けんかや自殺、犯罪行為。それから危険なスポーツ活動中のケガで、ピッケルやアイゼンを使う山岳登はん、リュージュ、ボブスレー、スケルトン、スカイダイビング、ハンググライダー搭乗などが例に挙がっています。ここは出るほうの例も冊子が示していて、スキューバダイビング中の事故は約款上の危険なスポーツに該当しないため治療費の対象です。マリンアクティビティをまとめて除外していると誤解しやすい部分なので、覚えておく価値があります。

賠償責任は仕事とレンタカーが外れる

賠償責任2,000万円は、他人にケガをさせたり他人の財物を壊したりして法律上の賠償責任を負ったときの備えです。除外の前に、含まれるほうを確かめておきます。冊子は賠償責任に含む損害として、宿泊施設の客室と客室内の動産を挙げ、そこに客室外のセイフティボックスと客室のキーを含むと書いています。ホテルのルームキーを失くした、客室の備品を壊したという場面は、まさにここです。レンタル会社から直接借りた旅行用品・生活用品に与えた損害も含まれます。居住施設内の部屋と部屋内の動産も対象で、ただし建物やマンションの戸室全体を賃借している場合は除かれます。民泊で部屋の一部を借りて壊した場合と、一棟まるごと借りた場合とで扱いが分かれる書き方です。

そのうえで、除外が具体的です。職務遂行に関する賠償責任、つまり仕事上の賠償は対象外。親族に対する賠償責任も対象外。そして船舶・車両・銃器の所有・使用・管理に起因する賠償責任も外れていて、車両にはレンタカーが含まれると括弧書きで明記されています。

巻末の質問がこの点を直接扱っています。レンタカーの運転中に事故を起こした場合、カード会員本人の治療費用は対象になるものの(運転資格を持たない場合や酒気帯び運転などは除く)、車と他人に与えた損害は対象としない、という答えです。現地でレンタカーを借りるなら、対人対物の補償はレンタカー会社の保険で手当てすることになります。なお除外のさらに例外として、ヨット・水上オートバイ、ゴルフ場の乗用カート、レジャー目的で使用中のスノーモービル、空気銃は除外の対象から外されているため、これらに起因する賠償は補償されうる書き方になっています。

額面の内側にある上限と期限

一覧表の金額は外枠で、その内側にもう一段の上限があります。携行品損害の20万円がわかりやすい例です。1回の事故につき、携行品1個・1組または1対あたり10万円が限度と決まっていて、さらに乗車券等は合計5万円、旅券は1回の保険事故につき5万円が上限。加えて1回の事故ごとに免責金額3,000円は自己負担になります。

冊子が示している計算式は「損害額-3,000円(免責金額)」で、免責は損害額から引きます。損害額そのものは修理費か時価額の低いほうです。8万円のカメラを壊した場合、80,000円-3,000円=77,000円が保険金になります。損害の96.3%が戻る計算で、免責の3,000円がそのまま自己負担として残る形です。

25万円のカメラだと様子が変わります。250,000円-3,000円=247,000円ですが、携行品1個あたりの限度が10万円なので、ここで頭打ちになります。受け取れるのは100,000円で、損害の40%。免責の3,000円は限度に飲まれて見えなくなり、代わりに15万円が自己負担として残ります。20万円という表の数字を見て高価な機材を安心して持ち出すと、この差でつまずきます。なお盗難・強盗と、航空会社等に預けた手荷物の不着による損害については、保険期間を通じた限度額が30万円になる場合があるとも書かれています。

内枠があるのは携行品だけではありません。治療費用100万円も、中身は7つの費用に分かれています。医師や病院に支払った診療・入院関係費用のほか、治療のために必要になった通訳の雇入費用と交通費、義手・義足の修理費(ケガの場合のみ)、旅行行程を離脱したあとに当初の行程へ復帰するか直接帰国するための交通費・宿泊費、保険金請求に必要な医師の診断書費用、法令にもとづき公的機関から消毒を命じられた場合の消毒費用まで入ります。読者が思い浮かべる診療代よりは、だいぶ広い範囲です。そのうえで内側に上限があり、入院のために必要になった費用のうち、身の回り品の購入費は5万円、国際電話料等の通信費と合わせて20万円が限度と決まっています。100万円の枠が残っていても、この2つはそこで止まります。

期限も外枠の内側にあります。傷害による死亡・後遺障害は、事故の発生の日からその日を含めて180日以内に死亡または後遺障害が生じた場合が対象。傷害による治療費用は、事故発生日から180日以内に要した費用に限られます。疾病による治療費用はもう一段細かく、補償期間の終了後72時間を経過するまでに医師の治療を受けた場合が対象で、しかも初診の日から180日以内に要した費用まで。帰国後に体調を崩したときは、この72時間が効いてきます。

救援者費用100万円は、そもそも発動の条件が決まっています。事故によるケガや旅行中に発病した病気で3日以上続けて入院した場合などが対象で、内訳にも上限があります。救援者の交通費は3名分まで、宿泊施設の客室料は救援者3名分かつ1名につき14日分まで、渡航手続費と現地での諸雑費は合計20万円まで、遺体処理費用は100万円までです。

事故に遭ったときの連絡先と請求

まず期限があります。冊子は事故の日から30日以内に、事故発生の状況や事故の程度を連絡するよう求めています。帰国してから落ち着いて手続きしよう、と後回しにしていると、この30日を過ぎかねません。

連絡先はブランドで分かれます。Mastercard/Visaは東京海上日動三菱UFJカード事故受付デスクが24時間年中無休で受け付け、海外からは東京海上日動海外総合サポートデスクへ連絡する形です。後者は東京海上インターナショナルアシスタンス社が24時間年中無休で全世界からの電話を東京で受けていて、救急病院の紹介や転院の手配、救援者への援助まで日本語で対応します。JCBは入口が別で、公式FAQは請求について会員向けの「JCBのほけん」か、帰国後のみ受け付ける電話の事故受付デスクを案内しています。ただしこのデスクには「JCBカード自動付帯サービス専用」という注記が付いていて、利用付帯のリクルートカード(JCB)がここで受け付けられるかは、公式の記載からは判断できません。JCBブランドを持っているなら、会員向けの「JCBのほけん」から自分のカードの案内を開くと、補償の条件と窓口をまとめて確かめられます。現地で相談したいときは「海外ホットライン」という別の窓口になり、こちらは年中無休・通話料無料で24時間日本語で受け付けるとされています。番号はカードによって異なる場合があるとされていて、会員向けサイトから開く保険の案内で調べる形です。同じリクルートカードでも、事故のときに掛ける先はブランドで違います。

請求の実務でも、項目ごとに扱いが違います。携行品損害の請求は原則として日本のみで受け付け、日本で円貨で支払われます。冊子は事故および損害額の証明書類を必ず持ち帰るよう求めていて、何が要るかは請求書類の一覧に書かれています。携行品損害で原則として必要とされているのは、公の機関が出す事故証明書(やむを得ない場合は第三者のもの)、購入時の領収書、修理見積書または領収書、損害品の写真、そしてパスポートのコピーです。壊れた品を捨てて帰る、警察に届けずに帰国する、購入時のレシートを残していない——このどれかに当てはまると、帰国後に取り寄せる手間が発生します。壊れた状態の写真は現地で撮っておくのが確実です。治療費用は請求額が30万円以下なら診断書が不要です(請求内容によっては求められることがあります)。診断書や事故証明書の発行手数料は原則として保険金の支払い対象外ですが、海外旅行傷害保険の請求で東京海上日動に提出する診断書の発行手数料は対象になるため、原本を提出することになります。

賠償責任だけは、動く順番に注意が要ります。賠償金額を決めるときは事前に保険会社の承認が必要とされているので、相手とその場で金額を決めてしまうと後から食い違います。まず窓口に連絡してから話を進める流れです。

年会費無料の3枚で比べると、治療費が見劣りする

年会費無料で海外旅行保険が付くカードは他にもあります。当サイトが公式の保険案内で内訳を確認できている楽天カード・エポスカードと並べると、リクルートカードの位置がはっきりします。

補償項目リクルートカード(MC/Visa)楽天カードエポスカード(Visa付)
傷害死亡・後遺障害2,000万円2,000万円最高3,000万円
傷害治療費用100万円200万円200万円
疾病治療費用100万円200万円270万円
賠償責任2,000万円3,000万円3,000万円
携行品損害20万円補償無し20万円
救援者費用100万円200万円100万円

リクルートカードが上回っているのは携行品損害だけで、残りは並ばれるか下回ります。とくに治療費用は傷害・疾病とも100万円で3枚のなかでもっとも低く、エポスカードの疾病治療270万円とは170万円の開きがあります。治療費用は実費を補う項目なので、上限を超えた分はそのまま自己負担です。渡航先で病気の治療に270万円かかったとして、エポスカードならその範囲に収まるところ、リクルートカードは100万円で止まります。残る170万円は自分で払うことになります。携行品損害については逆で、楽天カードは補償そのものがありません。

金額で見劣りする一方、発動のしやすさでは前に出ます。募集型企画旅行の決済しか条件に数えない楽天カードに対し、リクルートカードは航空券でも空港までの交通費でも立ち上がることは前述のとおりです。金額を取るか発動のしやすさを取るかで、選び方が変わります。詳しい条件はそれぞれ楽天カードの海外旅行保険とエポスカードの海外旅行保険にまとめました。なお、エポスカードの保険期間は毎年10月1日から翌年9月30日までかつ会員である期間という数え方で、リクルートカードの1回の旅行につき90日とは考え方が違うため、期間の長短は同じ土俵で比べられません。

足りない分は重ねられる。ただし重ね方で結果が変わる

治療費用100万円が心細いと感じたら、他のカードや掛け捨ての旅行保険と重ねる手があります。冊子の巻末は、この2つを別々の質問として扱っていて、答えも違います。

重ねる相手傷害死亡・後遺障害治療費用・賠償責任・携行品損害・救援者費用
保険が付いた他のクレジットカード合算されない。保有するカードのそれぞれの保険金額のうち、もっとも高い保険金額が限度本カードとの合算金額(実際の損害額が上限)
任意で加入した旅行保険合算される。カード付帯保険の支払金額と、任意加入保険の支払金額の合算金額本カードとの合算金額(実際の損害額が上限)

リクルートカードと楽天カードの両方で条件を満たした場合、疾病治療費用の枠は100万円+200万円で300万円まで積み上がります。一方、傷害死亡・後遺障害は2,000万円+2,000万円の4,000万円にはならず、高いほうの2,000万円が限度のままです。カードを2枚、3枚と増やしても、死亡保障の欄だけは動きません。

動かしたいなら、足す相手をカードではなく掛け捨ての旅行保険にします。冊子は任意加入の保険については、傷害死亡・後遺障害もカード付帯分との合算金額とすると書いており、ここは積み増せます。死亡保障を厚くしたいという目的に対しては、カードをもう1枚作るより、旅行前に単発の保険へ入るほうが目的に届きます。治療費や賠償の枠はどちらのやり方でも増えるので、そこは持っているカードで条件を満たしておけば足ります。

このカードの保険で足りる人、足りない人

短期の旅行で、航空券や空港までの交通費をリクルートカードに寄せられる人には素直に働きます。携行品損害が付いているので、楽天カードでは埋まらない持ち物の破損もカバーできますし、家族カードの会員も同じ内容で補償されます。もともと1.2%の還元率で普段使いしているカードなら、旅費の決済先をここに寄せるだけで済む話です。リクルートカードの公式サイトで申し込みの条件を見られます。

一方で、このカード1枚に任せないほうがいい人もはっきりしています。持病がある人は既往症が対象外なので、治療費の中心になる部分が抜けます。仕事で渡航する人は、仕事上の賠償責任も業務のためだけに使うものも外れるため、業務に関わる損害は埋まりません。レンタカーを運転する予定なら対人対物は別途手当てが要りますし、置き忘れが心配な高価な機材を持ち歩く人は1個10万円の内枠と置き忘れの除外の両方に当たります。滞在が90日を超える人は、91日目からこのカードの補償が外れます。

そして治療費用100万円という水準そのものが、年会費無料カードのなかでも控えめです。渡航先の医療費に不安があるなら、掛け捨ての旅行保険を重ねるか、治療費の枠が厚いカードをもう1枚持って条件を満たしておくほうが、実際に困る場面での差になります。カード付帯の保険は土台であって、これだけで完結させるものではないという前提で使ってください。

よくある質問

英文の保険加入証明書(付保証明書)は出してもらえますか?

発行してもらえます。発行会社の案内では、事故受付デスクに連絡すると発行までに7〜10日程度、海外旅行傷害保険のページでは付保証明書の発行に2週間程度と書かれており、日数の目安に幅があります。入国時に提示を求められる国へ行くなら、渡航が決まった時点で連絡しておくと間に合います。受付の際は、該当カードのカード番号、カード名義人の氏名(ローマ字)、パスポートの氏名(ローマ字)、渡航先、渡航期間、郵送先を聞かれます。

現地の病院で立て替えずに治療を受けられますか?

東京海上日動海外総合サポートデスクに、医療機関への支払保証を交渉するキャッシュレス・メディカル・サービスの手配があります。ただし無条件ではありません。原則として出国日が確認できる書類(パスポートのコピー、航空券やEチケットなど)の送付を求められ、提供できない場合はサービスを断られます。カード会員資格の確認に時間がかかることもあり、地域や病院によっては利用できないとも案内されています。手配が付かなければ自分で立て替えて、帰国後に請求する流れです。

海外留学や海外出張でも補償されますか?

補償されます。ただし旅行期間が90日を超える部分は対象外で、91日目からは補償されません。出張で気をつけたいのは範囲で、仕事上の賠償責任は対象外、業務のためだけに使うものや会社から貸与された機材も携行品損害から外れます。会社の備品を壊した場合の賠償や、貸与されたパソコンの破損はこの保険では埋まりません。

家族カードで旅行代金を払っても、利用付帯の条件を満たしますか?

ブランドによって案内の書き方が違います。ジェーシービーの公式FAQは「本会員または家族会員のいずれかのカードで、保険適用条件となる料金を支払った場合に適用されます」と書いており、家族カードでの支払いを認めています。一方、三菱UFJニコスが発行するMastercard/Visaは、発行会社のページが「対象カードで」、保険の案内冊子が「本カードで」と書いており、家族カードでの支払いが含まれるかまでは触れていません。家族カードで払う予定なら、出発前に発行会社へ問い合わせておくと迷いがありません。

本記事の情報は各カード会社の公式サイト・規約をもとに作成しています(2026年9月時点)。 年会費・ポイント・保険などの条件や規約は予告なく改定されることがあります。

最新の情報は各カードの公式サイトで必ずご確認ください。 公式サイト: リクルートカード

リクルートカード 公式サイトへ