三井住友カード(NL)とゴールド(NL)どっち?分岐は年100万円
目次 15項目
三井住友カード(NL)とゴールド(NL)は、どちらも基本還元率0.5%、対象のコンビニ・飲食店でスマホのタッチ決済7%と、ポイントの根幹がまったく同じです。それでも分かれ目ははっきりしています。年間100万円をこのカードで使うかどうか。使うならゴールド、使わないならNL。その根拠を数字で確認します。
スペック比較
| 項目 | 三井住友カード(NL) | ゴールド(NL) |
|---|---|---|
| 年会費 | 永年無料 | 5,500円(税込)。年100万円利用で翌年以降永年無料(初年度はかかる) |
| 基本還元率 | 0.5% | 0.5% |
| 対象コンビニ・飲食店(スマホのタッチ決済) | 7% | 7% |
| 継続特典 | なし | 毎年、年100万円利用で10,000pt(初年度は付与なし) |
| 海外旅行保険 | 最高2,000万円(利用付帯) | 最高2,000万円(利用付帯) |
| 国内旅行保険 | なし | 最高2,000万円(利用付帯) |
| ショッピング補償 | なし | 300万円(購入日から200日間) |
| 空港ラウンジ | なし | 国内主要空港が無料 |
| 総利用枠 | 〜100万円 | 〜200万円 |
| 家族カード | 無料 | 無料 |
| 締め日・支払日 | 15日/翌月10日、月末/翌月26日から選択 | 同じ(選択制) |
ポイントの仕組みと締め日は共通で、差が出るのは年会費・継続特典・保険・ラウンジ・枠の5項目です。
年100万円使う人: ゴールドが年10,000ポイント上回る
年間100万円をカードに集約できる人にとって、両者の差は明快です。ゴールド(NL)は100万円達成で翌年以降の年会費が永年無料になり、さらに毎年10,000ポイントの継続特典が付きます。同じ100万円をNLで使っても通常の5,000ポイント(0.5%)止まりですが、ゴールドなら合計15,000ポイント、実質1.5%です。年会費が実質無料になった後は、同じ使い方でNLより毎年10,000ポイント多くもらえるカードになります。
保険とラウンジの差も一方的です。海外旅行保険の最高額は同じ2,000万円(利用付帯)ですが、ゴールドには国内旅行保険(最高2,000万円)と、購入品の破損・盗難を200日間・300万円まで補償するショッピング補償が加わります(NLはショッピング補償なしと公式に明記)。国内主要空港のラウンジも使えます。なおゴールドの海外旅行保険の治療費用などの内訳は、申し込み前に公式の保険ページで確認してください。
唯一のハードルは初年度で、100万円を使っても初年度の年会費5,500円は必ずかかります。条件と集計対象の詳細(つみたて投資が対象外になる点など)は年会費無料条件の解説記事にまとめています。
年100万円に届かない人: NL一択
月平均8.4万円に届かない人がゴールドを持つと、年会費5,500円を払い続けるか、達成済みでも継続特典のない0.5%カードになるだけです。保険とラウンジにそれだけの価値を感じる場合を除き、年会費無料のNLで同じ7%還元を受けるのが合理的です。
NLには即時発行(夜間帯は利用枠5万円などの制限あり)という強みもあり、「今日カードが欲しい」場面にも対応します。急いでカードが必要なら、この時点でNLを選ぶ理由になります。
なお総利用枠はNLが最高100万円、ゴールドが最高200万円です。年100万円をこのカードで使う計画なら、枠の上限が実際の運用に効いてくる場面もあります。ただし枠は審査で決まるもので、ランクを上げれば必ず広がるわけではありません。楽天カードとの比較はNLと楽天カードの比較記事を参照してください。
迷ったらNLから始めて切り替える
判断に迷う場合、先にNLを作って1年使い、決済額が100万円ペースに乗るかを確かめる順番が安全です。NLで年間100万円(税込)以上を使うと、ゴールド(NL)へ年会費永年無料でアップグレードできる案内が届きます。実績を見てから移行すれば、100万円に届かないままゴールドの年会費を払うリスクを避けられます。
ただし、このアップグレードには公式の詳細ページに重要な条件がいくつかあります。まず、永年無料になるのは「ご案内メール」経由で切り替えた場合だけで、案内を待たずに自分でゴールドを申し込むと無料にならず、後からメール経由でやり直すこともできません。案内メールを受け取るには、メールサービス「三井住友カードレター」を受け取る設定にしておく必要があります(集計期間の途中で設定しても、それまでの利用分は集計に含まれます)。切り替えたときにカードのどこが変わるかは、この記事の最後にまとめました。
保険は「振り替えられる」ことも計算に入れる
比較表では保険の項目でゴールドが優勢に見えますが、実際にはもう一段の仕組みがあります。三井住友カードには初期設定の旅行傷害保険を別の補償に振り替えられる仕組み(選べる無料保険)があり、NLもゴールド(NL)も対象です。
選べるのは、スマホの破損・故障を補償するプラン、弁護士費用のプラン、ゴルフのプラン、日常生活の賠償責任プラン、交通事故によるケガの入院プラン、携行品損害のプランなど。追加費用はかかりません。
つまり旅行に行かない人にとって、NLの「旅行保険しかない」という状態は固定ではありません。スマホの補償や日常生活の賠償に振り替えれば、年会費無料のまま自分に合った補償を持てます。この観点を入れると、保険を理由にゴールドを選ぶ理由は少し弱くなります。
ただし注意点があります。これは上乗せではなく振り替えなので、旅行安心プラン以外に変更すると旅行傷害保険は適用されなくなります。両方を持つことはできません。またプランを選べるのは本会員だけで、家族会員には本会員と同じプランが適用されます。
変更のタイミングも決まっています。毎月20日までに選んだプランが翌月1日午前0時から適用され、補償期間は1年間。補償開始の前月20日を過ぎるとキャンセルできず、期間が満了するまで別のプランに変えられません。
なおゴールドにしかないショッピング補償(購入日から200日間・300万円)は、この振り替えの対象外で影響を受けません。ここはゴールドの純粋な上積みです。
どちらを選んでも変わらないもの
比較で迷いを減らすために、差がない項目も押さえておきます。
| 項目 | NL・ゴールド共通 |
|---|---|
| 基本還元率 | 0.5%(200円につき1ポイント) |
| 対象コンビニ・飲食店 | スマホのタッチ決済で7% |
| 家族ポイント | 最大+5% |
| 締め日・支払日 | 15日締め翌月10日払い / 月末締め翌月26日払いの選択制 |
| 家族カード年会費 | どちらも永年無料 |
| 選べる無料保険 | どちらも対象 |
日常の使い勝手はほぼ同じです。カードを変えても、7%を取るためにスマホのタッチ決済を使うという基本動作は変わりません。差が出るのは年に一度の集計と、旅行・買い物のときの保険だけ、と整理できます。
選べる無料保険は「金額」がまったく違う
ここまで「NLもゴールドも選べる無料保険の対象」と書いてきましたが、同じプランでも補償額はカードのランクで大きく変わります。振り替えられること自体は同じでも、中身は別物です。
| プラン | 一般(NL) | ゴールド以上 |
|---|---|---|
| スマホ安心 | 画面割れ5万円(免責5,000円) | 物損10万円・自然故障10万円・盗難5万円 |
| 弁護士安心(弁護士費用等) | 5万円 | 300万円 |
| 日常生活安心(個人賠償) | 20万円 | 1億円 |
| ゴルフ安心(賠償責任) | 20万円 | 1億円 |
| 持ち物安心(携行品損害) | 3万円 | 25万円 |
桁が違います。とくに日常生活安心プランの個人賠償責任は、一般(NL)が20万円でゴールド以上が1億円です。個人賠償責任保険は自転車事故などで高額賠償が問題になる領域なので、20万円という上限では実用性が限られます。
スマホ安心プランも同様で、一般(NL)は画面割れの修理のみが対象で5万円まで(免責5,000円)です。ゴールド以上のように水濡れなどの物損や自然故障、盗難までは対象になりません。
つまり「NLでも振り替えられるから保険の差は小さい」とは言えません。振り替えの選択肢があること自体は共通でも、実際に受け取れる金額はゴールドが大きく上回ります。保険を判断材料にするなら、プランの有無ではなく金額で比べてください。
なお、スマホ安心プランには適用条件があります。事故発生の時点で、そのカードで対象スマートフォンの直近2ヵ月以上の通信料を決済していることが必要です。通信料を別のカードで払っている人は、プランを選んでも補償されません。また初年度の契約では、補償期間の開始日から30日以内に発生した損害は対象外です。
ショッピング補償はゴールドだけの純増分
保険まわりで、選べる無料保険の振り替えに影響されない項目がひとつあります。ショッピング補償です。
ゴールド(NL)には補償限度額300万円のショッピング補償が付きます。対象は海外・国内の利用で、購入日および購入日の翌日から200日間、破損・盗難による損害を補償します。NLにはこの補償がありません(公式表記も「なし」と明記されています)。
高額な家電やブランド品をカードで買う機会があるなら、ここは純粋な上積みになります。
200日という期間は長めです。購入から半年以上たってからの破損でも対象になりうるため、大きな買い物をゴールドに寄せる理由にはなります。ただし補償を受けるには購入の記録が必要になるので、明細を残しておくことが前提です。
海外旅行傷害保険については、両者とも最高2,000万円・利用付帯(事前に旅費などを当該カードで決済することが前提)で、引受会社も三井住友海上火災保険です。海外旅行保険の骨格はNLとゴールドで同じという点は、比較表の数字だけ見ていると気づきにくいところです。ゴールドに加わるのは国内旅行傷害保険(最高2,000万円・利用付帯)のほうです。
ラウンジとデスクをどう評価するか
ゴールドだけの特典として、国内主要空港のラウンジサービスが無料で使えます。加えて、ゴールド会員専用の問い合わせ窓口(ゴールドデスク)が用意されています。
ラウンジは金額に換算しにくい項目です。飛行機に乗らない年はゼロなので、年会費の回収計算には入れないほうが安全です。年間100万円の利用で継続特典10,000ポイントが確定するのに対し、ラウンジは使った回数だけ価値が出る変動要素、という整理になります。
判断の順番としては、まず年間100万円に届くかどうかで年会費の回収を確定させ、そのうえで「回収できるならラウンジとショッピング補償も付いてくる」と考えるのが健全です。逆に100万円に届かない人が、ラウンジと補償を理由に年会費5,500円を払い続けるのは、よほど飛行機に乗る人でない限り割に合いません。
なお紛失・盗難の連絡窓口が国内・海外とも24時間年中無休である点や、Apple Pay・Google Payへの対応は両者で共通です。日常の使い勝手そのものに差はありません。
100万円の集計に入らない支払いがある
ゴールドを選ぶ判断は「年100万円に届くか」に懸かっていますが、この100万円はカードで決済した額がそのまま数えられるわけではありません。
集計に合算されるのは、家族カード・パートナーカードと、ETCカードやiD専用カードなどの付帯カードの利用分です。一方で、次の支払いは集計から外れます。
- 年会費(クレジットカード・ETCカード・PiTaPaカード)
- 三井住友カードつみたて投資(SBI証券)、三井住友銀行の外貨自動積立
- キャッシングリボ・海外キャッシュサービス・ローンの返済金、リボや分割の手数料
- 交通系をはじめ一部の電子マネーへのチャージ、モバイルSuicaの定期券・特急券・グリーン券
- au PAY・Kyash・JAL Pay・バンドルカードなどへのチャージ
- 国民年金保険料、収納事務を委託された一部の保険料
クレカ積立とチャージで到達させることはできない設計です。「投信積立を月10万円しているから余裕」と考えていると、実際にはまったく数えられていないことになります。日常の支払いを直接カード決済でどれだけ集約できるかが、そのまま判断材料になります。集計条件の詳細は年会費無料条件の記事にまとめました。
切り替えるときに起きること
NLから始めてゴールドへ移る場合、切り替え時に3つのことが起きます。
まず会員番号と有効期限の変更です。カード番号を登録している継続的な支払いは、各社ごとに登録し直しになります。
次に継続特典の集計リセット。切り替え前のNLでの利用金額は、ゴールドの継続特典10,000ポイントの集計には含まれません。ゴールドになってから改めて年間100万円を積み上げることになるので、1年目から特典を取るつもりでいると計算が狂います。
最後が保険プランの初期化です。選べる無料保険でプランを変更していても、カードを切り替えると切り替え前のプランは無効になり、切り替え後は初期設定に戻ります。スマホ安心プランを選んでいた人は、ゴールドになった時点で旅行安心プランからやり直しです。
いずれも致命的ではありませんが、切り替えは「同じカードのランクが上がる」のではなく「別のカードを作る」に近いという理解でいると、想定外が減ります。
よくある質問
ポイント還元率に違いはありますか?
基本還元率0.5%も、対象のコンビニ・飲食店でのスマホのタッチ決済7%も共通です。違いはゴールド(NL)だけにある継続特典(毎年、年間100万円の利用で10,000ポイント)で、これを含めると100万円利用時の実質還元率は1.5%になります。
NLは保険が弱いですか?
NLもゴールドも「選べる無料保険」の対象で、初期設定の旅行傷害保険をスマホの補償や日常生活の賠償責任などに追加費用なしで振り替えられます。ただし補償額はカードのランクで大きく違い、たとえば個人賠償責任は一般(NL)が20万円、ゴールド以上が1億円です。振り替えの選択肢がある点は同じでも、受け取れる金額はゴールドが大きく上回ります。
100万円使えない年があったらどうなりますか?
年会費は一度100万円を達成していれば翌年以降永年無料のままです。ただし毎年の継続特典10,000ポイントはその年ごとの達成が条件なので、届かない年は0.5%の通常還元だけになります。
本記事の情報は各カード会社の公式サイト・規約をもとに作成しています(2026年7月〜2026年8月時点)。 年会費・ポイント・保険などの条件や規約は予告なく改定されることがあります。
最新の情報は各カードの公式サイトで必ずご確認ください。